電気料金ってどんな仕組みなの?三段階料金って?
目次
多くの電気料金プランでは、三段階料金というモデルが採用されています。今回は、この三段階料金とはどういうものなのか?どのようにして電気料金が決まっているのかについて詳しく解説していきたいと思います。
三段階料金とは
三段階料金とは、電気料金の単価を使用量に応じて格差を設けている料金システムのことで、一般的に消費電力量が大きくなればなるほど単価が上がっていきます。
例えば、1段目の料金は19円、2段目の料金は25円、3段目の料金は30円…といったように段階を経て電気料金単価が上がっていくことになります。
この三段階料金は、国が保障すべき最低限の生活水準(ナショナル・ミニマム)の考えに基づいて設定されており、一般電気事業者は例えば筆者のような貧乏暇なしの消費者に利益度外視で電気を提供してくれているというわけです。
しかし、東京電力や関西電力も公的な属性が強いとはいえ、民間の事業者です。利益を追求していかなくてはなりません。そのため、筆者のような小市民に安価で電力を提供できるように電気をたくさん消費する人達から利益をもらっているのです。つまり、筆者の自宅の電気代が安いのは、電力消費量が多い事業者の皆さんや大きなご自宅をお持ちの皆さんのおかげということです。ありがとうございます。
どれくらい料金に格差があるの?
この三段階料金は各電力会社でどれくらい格差があるのでしょうか。
一覧にして見ていきましょう。
電力会社 | 1段階 | 2段階 | 3段階 |
---|---|---|---|
北海道電力 | 23.54円 | 29.72円 | 33.37円 |
東北電力 | 18.24円 | 24.87円 | 28.75円 |
東京電力 | 19.52円 | 26.00円 | 30.02円 |
北陸電力 | 17.52円 | 21.33円 | 23.02円 |
中部電力 | 20.68円 | 25.08円 | 27.97円 |
関西電力 | 17.59円 | 20.82円 | 23.77円 |
四国電力 | 16.66円 | 22.09円 | 24.96円 |
中国電力 | 17.76円 | 23.74円 | 25.58円 |
九州電力 | 17.19円 | 22.69円 | 25.63円 |
沖縄電力 | 22.53円 | 27.97円 | 29.91円 |
格差が小さい地域もありますが、だいたい7円~10円くらいの差がありますでしょうか。「なんだ、格差があるっていってそんなに差がないじゃないか!」と思われるかもしれませんが、これは1kWhあたりの単価です。皆さんが毎月どれくらい使っているかはわかりませんが、意外と差が出てきます。
例えば東京電力エリアの1段階目の100kWhは1,952円になります。ところが3段階目の100kWhは3,002円になります。その差1,000円余り。筆者の晩ごはん4食分です。
電気料金の計算方法
――さて、この三段階料金、勘違いしてしまいがちですが、例えば400kWh使ったら3段階目の料金だから400kWh×30.02円で12,008円!とはなりません。
三段階料金の計算方法は、以下のようになります。
(1段階目の電気量)×(1段階目料金)+(2段階目の電気量)×(2段階目の料金)+(3段階目の料金)×(3段階目の料金)
例えば東京電力の場合は以下のように三段階料金が設定されています。
最初の120kWhまで | 19円52銭 |
---|---|
120kWhをこえ300kWhまで | 26円00銭 |
上記超過 | 30円02銭 |
つまり、例えば150kWhしか利用しなかった場合は以下のような計算式になります。
120kWh×19.52円+(150kWh-120kWh)×26.00円=3,122円40銭
500kWhまで消費すると、以下のような計算式になります。
120kWh×19.52円+(300kWh-120kWh)×26.00円+(500kWh-300kWh)×30.02円=13,026円40銭
――このように、1段階目の料金は全ての人に適用される料金になります。
新電力会社の中には一律のプランも存在する
――さて、この三段階料金は全ての電力会社に適用されるものではなく、新電力会社の中には料金が一律の電力会社も存在します。
例えば口コミでも人気の「Looopでんき」は料金が一律でわかりやすいプランです。例えば東京エリアでは、料金単価が27.00円になります。
ここで注意しておきたいのは、消費電力量が少ない場合。東京電力の料金は1段階目が19.52円、2段階目が26.00円となっておりLooopでんきの27.00円よりも安い単価となっています。
そのため、500kWh程度の消費電力量であれば、東京電料のほうが電気量料金が安いということになってしまいます。
これがどの地点で切り替わるかを計算してみましょう。
120×19.52+(300-120)×26+(X-300)×30.02=27×X
7022.4+30.02(X-300kWh)=27X
30.02X-27X=9006-7022.4
3.02X=1983.6
X=656.82
つまり660kWhは最低でも使用しなければ電気量料金は安くならないということです。電気代で言うと毎月17709.5円ですから、これは一般的な家庭では使わない電力量になります。
――とはいえ、Looopでんきの場合は基本料金(500円~800円ほど)が無料なので、その差を考慮すると請求額が切り替わるのは450kWhくらいでしょうか。それでも電気料金は1万円を超えるくらいなので、一般的な家庭ではこんなに使わなさそうですね。
しっかり電気料金を試算しよう
さて、上記で解説してきたようなことも踏まえながら、電力会社を乗り換える場合はしっかりと自分の手で計算してから乗り換えることをおすすめします。
例えば先程のLooopでんきの公式ページにシミュレーターがありますが、300kWhで入力した場合でも「安くなります」と表示されました。
よくよく見て見ると、「太陽光発電システムを自宅に設置している場合の割引」がシミュレーションに適用されているのです。
――筆者の家、賃貸ですし、ソーラーパネルなんて高くて買えませんし…。
このように、電力会社のシミュレーターは割と都合よく設計されていますので注意が必要です。
本当に安くなるかどうかを確かめるためには、シミュレーターなどは参考にせず、本頁で解説した計算方法を元に計算するようにしてみてください。
さもなければ、「契約してみると実際高かった」などという口コミを皆さんが投稿することになるかもしれません。
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