オフィスの照明はどれくらいの明るさが適切?明るさと生産性のお話

オフィスの照明はどれくらいの明るさが適切?明るさと生産性のお話

目次

  1. 照度750lx神話は最早古い!?
  2. 結局どれくらいの明るさが理想的なのか
  3. 生産性が上がる明るさは、会社ごとに違う
  4. 明るさを変更できるLEDライトを導入してみよう

オフィスの照明の明るさが社員の生産性に影響するという話をご存知でしょうか?明るさと生産性に関する研究は、産業革命以降ヨーロッパで活発となり、現在でも様々な研究がされています。

例えば、パナソニックは2012年に以下のような発表を行っています。

実験は、健康な男子学生10名を対象に、日中に「従来照明(750lx)」「節電照明(400lx)」「調光・調色 照明」の3つの試験条件で実施。日中は覚醒度評価とパフォーマンステストを、夜間には、睡眠の質と関連が深いとされる深部体温とホルモン(メラトニン)の分泌量を測定した。

その結果「節電照明」では日中の覚醒度とパフォーマンスが低下(エラーが増加)し、夜間の体温も十分低下しなかった一方、「調光・調色 照明」では日中の「従来照明」と同等の覚醒度、パフォーマンスが維持され、かつ夜間の体温の低下量とメラトニンの分泌量が最も多いことが分かった。

引用:環境ビジネスオンライン

しかし一方で、「暗い場所のほうが集中できる」という方や、「オフィスの照明は眩しすぎて目に悪い」という意見もあります。

ということで、今回はイフォスの照明はどれくらいの明るさが最適なのかということを徹底的に解説していきたいと思います!

照度750lx神話は最早古い!?

多くのオフィスでは、机の上が750lx(ルクス)という明るさになるように設定されています。なぜ750lxなのかというと、「クルイトフカーブ」という説が原因です。
オランダの物理学者であったArie Andries Kruithof(1909-1993)は、人間が快適に労働できる環境は750lxという明るさを中心とした照度であるということを提唱したのです。

確かに、この明るさは真っ昼間の明るさであり、古来から人間はこの明るさの時に狩りを行い、生きるために仕事をしてきました。動物という習性の中で最も集中力が高まる明るさであることは説得力がありますが、徐々にこの説も否定され始めます。

PCやスマートフォンなどの急速な普及によって、8時間~12時間を常に仕事モードの状態で生活している現代人と、クルイトフが生きた1900年代中盤とでは労働環境が違いすぎるからです。
人間の集中力は約1時間と言われていますし、昼休憩1時間を挟んだとしても時間が進むにしたがって生産性が落ちていきます。

また、「疲労」という観点で見た時に、人は暗いほうが疲労を感じにくいという研究結果も大成建設技術センターによって解明されています。
この研究結果では、以下のような仮設を導き出しています。

(1) オフィスの照明基準である 750lx-5000K で最も満足度が高かったが、光環境の満足度の高い空間が必ずしも作業効率を向上させる空間ではない可能性が示された。満足度は、普段教室やオフィスで体感している環境を好む傾向が影響していると考えられる。

(2) 暗い環境は眠気やだるさは増すが、身体的にリラックスできる環境であることが確認された。一方、明るい環境は一概に眠気を感じにくい環境であるとは言えないことがわかった。また、主観的な疲労感が低い空間は、作業効率を向上させる空間である可能性が示された。

(3) 加算作業・校正作業・テキストタイピングなどの単純作業では、光環境の違いは作業効率に有意な差を与えなかった。その理由として、単純作業は作業に集中することで、室内環境の影響を受けにくいことが考えられる。一方、知識創造作業では、作業によって異なる影響を与えることを確認した。

引用:照明計画と知的生産性に関する研究 – 大成建設

このことから、必ずしも750lxという照度が従業員の生産性を向上させるとは言えないのです。

結局どれくらいの明るさが理想的なのか

現代でも750lxという明るさが採用されている背景には、もう一つの理由があります。それは、先程の大成建設の研究レポートの(1)でもあったように、人が普段体感している環境を好むという傾向があるためです。
つまり、どこのオフィスでもだいたい750lxという照度を採用していることため、750lxは快適な明るさなのです。

しかし、現代人にとっては750lxという照度は必ずしも「普段体感している明るさ」であるとは限りません。従業員はプライベートでは普段照度が暗い環境にいる可能性があるということです。しかし、こんな一人ひとりのプライベートに合わせていてはキリがありません。そのため、今でも多くのオフィスでは750lxという明るさが採用されているのです。

生産性が上がる明るさは、会社ごとに違う

「明るさを750lxにすれば生産性が上がる」「暗い部屋のほうがクリエイティブな仕事は捗る」のような研究結果が示されていますが、本質は「いかに従業員が働きやすい環境をつくるか」ということです。
当然会社ごとにオフィスの形も違えば、差し込む日光の明るさも異なると思いますし、そこに所属している人たちの生活スタイルも異なります。つまり、生産性が上がる明るさは会社ごとに異なるのです。

そもそも明るさと生産性の研究の発端は、1924年から1932年にフレデリック・テイラーによって行われた「ホーソン実験」です。
このホーソン実験の目的であった、「科学的根拠による経営」は時代を経て曲解されてしまったのかもしれませんが、本質は「従業員の働きやすい環境づくり」です。

従業員から明るいとクレームが多いのであれば、照明を変更するべきですし、逆に暗すぎるというクレームがあるのであれば明るくするべきです。
ですので、あまり難しく考えずに、従業員が快適だと感じる明るさを見つけだしていくことが重要です。

明るさを変更できるLEDライトを導入してみよう

最近のLED電球は、照度を自由に変更できるような商品が出てきています。ホーソン実験では、明るさの違いによって生産性が30%も向上したという実験結果もあることから、従業員に快適な環境を提供することがいかに経営者にとって重要かということが分かります。

LED工事は初期導入費用こそ高額となりますが、導入後の電気代や寿命を考えると、長期的に見ておトクですので、是非この機会にLED導入を検討してみましょう。

LED照明工事.jp

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