前準備はしっかりと!会社設立後に必要な「会社登記」のこと
目次
私たちにはそれぞれ個別の戸籍というものがあります。同様に、法人の場合にも戸籍のようなものが必要で、それが会社登記に当たります。今回は、会社設立後、必ず行わなくてはならない「会社登記」について詳しくご紹介します。
なぜ会社を登記しなくてはならないのか?
あなたが事業を興し、それによって収益を挙げていたとして、会社登記がされていなければ世の中的には“成立していない法人”として見なされます。この場合、本体行えるべき手続き等が利用できないといった不都合が発生します。
さらに、ビジネス上の信頼感という意味でも大きなデメリットが発生します。たとえば、取引先があなたの会社の実態を確認すべく、調査を行ったとしましょう。その際、会社登記が行われていなければ、それまでどのような関係性を築いていたとしても、一気に信頼性が失われてしまいます。さらに言えば、取引自体もストップしてしまうでしょう。つまり、会社登記の意味とは、世の中に自分の会社を認めてもらうこと。それにより、他の会社からの信頼を得るためのものとも言えるのです。
ちなみに、会社登記はそもそも法人の義務であり、それをしないで会社として活動をした場合には100万円以下の過料に処される可能性もあります。
会社登記の準備と決めておかなくてはならないこと
会社登記を行う際に必要となる準備や決め事にはどのようなものがあるでしょうか? それぞれの項目をご紹介します。
準備するもの
- 会社設立費用(株式会社の場合200,300円〜)
- 会社印鑑
- 個人印鑑(身分証明書と同一住所のもの)
- 個人の印鑑証明×2部
- 身分証明書
- 資本金(1円〜)
- 資本金を振り込むための個人通帳
前準備時のポイント
会社の設立に必要な最低金額は200,300円です。ただし、これはその手続きをすべて自分自身で行った場合であり、多くの時間・労力を要します。そのため、司法書士や行政書士に依頼するのが一般的です。なお、この場合の報酬は10〜20万円程度が目安ですので、合わせて用意しておきましょう。
また、資本金についても1円から設立可能ですが、前述の通り取引先に実態調査をされた場合、心象はよくありません。中小企業の場合、300万円程度を用意しておくのが一般的です。
決め事
- 社名
- 会社の登記場所
- 代表取締役および役員
- 資本金金額(複数人創業の場合はその割合)
- 事業年度
- 取締役会の有無
基本情報決定時のポイント
前項の基本情報を決定する場合にも、やはり対外的な印象を考える必要があります。たとえば会社の登記場所。事務所を決める前にとりあえずという形で登記される方も多いですが、その後すぐに引っ越しを行うとその行動は履歴事項全部証明書に記載されます。会社の住所がコロコロ変わるというのもやはりイメージダウンにつながるため、ある程度腰を据えて事業を行える場所を事前に用意しておいたほうが無難です。
会社登記の手順
それでは次に、具体的な会社登記の手順についても見ていきましょう。ここでは法務局・郵送・オンラインの2種類の方法についてご紹介します。
法務局での場合
- 商業登記窓口へ設立登記申請書を提出
基本的な手続きは、法務局内の「商業登記(法人登記、会社登記)」に設置された専用の箱に設立登記申請書を入れるのみです。提出前に職員の方へチェックしてもらうと、その後の手続きがスムーズになります。 - 不備が見つかった場合は訂正
不備があると電話で補正指示の連絡が来ます。期間内に補正し、再度窓口へ提出しましょう。なお。補正箇所が多すぎる場合はいったん取り下げることも可能です。 - 登記完了
不備がなければこの時点で登記完了です。
郵送での場合
- 設立登記申請書を法務局に郵送
本店所在の管轄である法務局へ設立登記申請書を郵送します。この際、封筒には「登記申請書在中」と記載しましょう。なお、普通郵便も可能ですが、できれば書留などを利用すると安心です。 - 申請書に不備がある場合は補正を行い、補正書と共に郵送
申請書の不備が見つかった場合は、登記官から補正箇所の連絡が来ます。指示通りに補正を行った後、補正箇所が明記された補正書を作成して再度郵送します。 - 登記完了
不備がなければこの時点で登記完了です。
オンラインの場合
- 登記・供託オンラインシステムへ申請者情報を登録
まずはサイトへアクセスし、申請者情報を登録します。 - 申請用総合ソフトにて会社登記を申請
サイトから申請用総合ソフトをダウンロードし、インストールができたらそれを使って会社登記の申請を行います。 - 不備が見つかった場合は申請用総合ソフトで補正
不備がある場合は、申請用総合ソフトにお知らせが届きます。その内容を基に、ソフトで申請書の補正、補正書の作成を行いましょう。 - 登記完了
不備がなければこの時点で登記完了です。
会社登記にあたっての注意点
最後に、会社登記の際の注意点についてまとめます。申請の際には、チェック項目としてご利用ください。
- 会社登記の申請は原則代表取締役が行う
- 申請書には電話番号の記載が必須
- 会社設立日は登記の申請日になる
- 振込証明書を作成したら、2週間以内に会社登記を行う
- 毎月1日以外の日に設立すると節税になる
会社登記は法人の義務です。同時に、自分たちの組織が世の中に存在していることの証明とも言えます。誰に見られても恥ずかしくない登記内容にし、事業の礎としましょう。
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