ご存知ですか?会社設立の「資本金」のシステム!
目次
会社設立時の資本金は、平均で300万円程度となっています。しかし、2006年の新会社法により、条件なしに資本金1円から起業ができるようになりました。とはいえ、資本金は事業を軌道に乗せるまでの期間に必要不可欠となる大切な資金です。こちらの記事では、会社設立時に知っておきたい資本金についてご紹介します。
1.会社を設立する時の資本金は最低1円でいい!?
株式会社と有限会社は、最低で資本金1円から立ち上げることができます。2006年の新会社法によって、資本金のノルマおよび財務諸表提出の義務が廃止され、資本金1円からでも条件なしに起業できるようになりました。
2003年の時点では、中小企業挑戦支援法や新事業創出促進法によって、1円で立ち上げた会社は「確認株式会社」や「確認有限会社」と呼ばれていました。そして、創立してから5年以内に、株式会社の場合1,000万円、有限会社の場合に300万円まで資本金を増額しなければなりませんでした。万が一資本金を集められなかった場合には、会社の解散あるいは他の組織に変更をする必要があったのです。
なお、すでに立ち上げられた確認株式会社や有限株式会社であっても、2006年以降は資本金のノルマが廃止されています。ただし、定款に記載されている内容を変更して登記する手続きが必要となりますから、注意しておきましょう。
2.株式会社を設立するときの資本金の平均は?100万で足りる?
最低で1円から立ち上げられる株式会社ですが、平均的な資本金の金額は約300万円と言われています。会社の資本金は、営業を始めてから数カ月は運転資金として使われます。万が一、営業開始から3カ月間利益が出なかったとしても事業を運営できるだけの資金が、資本金の目安です。したがって、事業内容によっては資本金100万円でも起業できると言えます。
ただし、資本金の金額が少なすぎると、会社として不利な状況に置かれやすいという懸念があります。まず、資本金が少なすぎると信用が薄く、倒産をおそれて取引をしてもらえないかもしれません。また、資本金の少なさが原因で、金融機関から融資を受けるのが難しい状況に陥ることもあります。業界によっては、資本金が一定の金額以上でなければ、営業許可を得られないこともあるようです。ビジネスの内容に応じて、適切な資本金を用意しましょう。
3.資本金1,000万円未満だと消費税免除!
資本金が少ない状態で起業するのは、デメリットばかりではありません。たとえば、資本金が1,000万円未満の状態で起業した場合、消費税の納税義務が免除されます。
通常、企業では2期前の売上によって消費税の納税義務が決められます。ただし、まだ2期前が存在しない新しい会社に関しては、資本金が1,000万円以上の場合に第1・2期の消費税納税義務が発生し、反対に1,000万円未満の場合は第1・2期の納税義務がないのです。
消費税の免除対象となるために、あえて資本金を1,000万円以下とし、残りの蓄えを「資本準備金」として扱うといった方法もあります。会社を設立してから資本金を増資するという対策も可能です。
4.借入したお金を資本金に含めるのはNG
資本金として扱えるお金には、条件があります。借りたお金を資本金に含めることはできません。たとえば、金融機関から融資を受けたお金や、家族や友人から借りたお金など、すべての借りたお金は資本金として使えない決まりになっています。
どうして借りたお金を資本金にできないのかというと、借りたお金を資本金に含めてしまうと、いくらでも融資を受けられることになってしまうからです。通常、融資を受けられる金額は資本金の約2倍となっています。しかし、借りたお金を資本金に含めてしまうと、さらに多くの融資を受けられることになってしまいます。このような混乱を避けるために、借りたお金は資本金に含められないのです。
5.資本金の払込や仕訳は確実に行おう!
会社を設立するための資本金は、法人名義の銀行口座が解説されるまで、別の場所に保管しておく必要があります。したがって、一時的に発起人名義の銀行口座に預けるか、あるいは別段預金を利用するという選択になります。別段預金とは、通常の預金とは別に、一時的に保管しておく資金のことです。法人名義の口座を作ってから、資本金を払込みします。
資本金を普通預金に払込んだ場合の会計処理は、借方勘定項目「現金」、貸方勘定項目「資本金」で記載します。別段預金を利用した場合は、借方勘定項目「別段預金」、貸方勘定項目「資本金」と記載しましょう。なお、2006年に施工された会社法によって、銀行の「残高証明書」で「払込金保管証明書」を代用できるようになったため、別段預金を利用する必要性はありません。
おわりに
株式会社や有限会社を立ち上げる際、資本金1円から起業ができます。ただし、資本金があまりに少なすぎると、事業を存続するために不利となることがありますからご注意ください。反対に、資本金を1,000万円以下に抑えておくことで、消費税対策をすることもできます。これから起業を検討しているのであれば、資本金の仕組みをよく理解しておきましょう。
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