バーの経営者が支払わなければならない税金
目次
バーを経営するためには営業許可を取得する必要があったり、風営法に関する規制を学ぶ必要があったりします。しかし、営業許可だけに気を取られていると税金の支払いで痛い目を見ることになる可能性もあるのです。
今回は、バーを経営する上で支払わなければならない税金についてご紹介していきます。
法人所得税
法人所得税とは、法人が1年間で出した利益に対して発生する税金のことです。法人成りしていない事業者(個人事業主)であればこの法人税を支払う必要はありませんが、個人事業主の場合は所得税として利益を支払う必要があります。
所得税は累進課税であるため、一定ラインを超えた時に法人成りしたほうが節税になると言われるのは、所得税率が法人税の税率より高くなることがあるため言われているのです。
さて、法人所得税は利益が出ていない場合、つまり赤字の場合は支払う必要がありませんが、利益が出ている場合は支払う必要があります。
利益とは益金から損金を引いたものですから、法人所得税は以下のような計算式で求めることができます。
なお、法人税率は資本金規模や利益の金額によって変動します。2019年5月現在は、以下の通り。
資本金 | 所得金額 | 税率 |
---|---|---|
1億円超 | – | 23.4% |
1億円以下 | 800万円超 | 23.4% |
800万円以下 | 15.0% |
法人事業税
法人事業税とは、事業所がある都道府県内で事業所を設けている法人が、その都道府県に収める税金のことです。こちらの税金も法人所得税と同じく赤字であれば0円ですが、所得がある場合には支払う必要があります。
法人事業税は、
で求めることができます。
税率については、複数パターンに分かれているため、以下の表を参照してください。なお、2019年10月からは税率改正が予定されていますので、注意しておきましょう。
区分 法人の種類 所得等の区分 税率(%) 平成28年4月1日から平成31年9月30日までに開始する事業年度 平成27年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度 不均一課税適用法人の税率(標準税率) 超過税率 不均一課税適用法人の税率(標準税率) 超過税率 所得を課税標準とする法人 普通法人、公益法人等、人格のない社団等 所得割 適軽用減法税人率 年400万円以下の所得 3.4 3.65 3.4 3.65 年400万円を超え 年800万円以下の所得 5.1 5.465 5.1 5.465 年800万円を超える所得 6.7 7.18 6.7 7.18 軽減税率不適用法人 特別法人〔法人税法別表三に掲げる協同組合等(農業協同組合、信用金庫等)及び医療法人〕 所得割 適軽用減法税人率 年400万円以下の所得 3.4 3.65 3.4 3.65 年400万円を超える所得 4.6 4.93 4.6 4.93 軽減税率不適用法人 収入金額を課税標準とする法人 電気・ガス供給業、保険業又は貿易保険業 収入割 0.9 0.965 0.9 0.965 外形標準課税法人 地方税法第72条の2第1項第1号イに規定する法人
〔資本金の額(又は出資金の額)が1億円を超える普通法人(特定目的会社、投資法人、一般社団・一般財団法人は除く)〕所得割 適軽用減法税人率 年400万円以下の所得 (0.3) 0.395 (1.6) 1.755 年400万円を超え 年800万円以下の所得 (0.5) 0.635 (2.3) 2.53 年800万円を超える所得 (0.7) 0.88 (3.1) 3.4 軽減税率不適用法人 付加価値割 ― 1.26 ― 0.756 資本割 ― 0.525 ― 0.315
法人住民税
法人住民税は、皆さんが支払っている住民税と似たような性格を持つ法人税です。基本的に都道府県民税と市区町村税の2種類を納税する必要があります。これは、その地域で営業をしている以上、警察や消防などのサービスの提供を受けているからという理由で支払う必要がある税金になります。
法人税の計算方法は、以下の通り。
消費税
客商売のお店では、基本的にお客様にお会計の時に消費税をお預かりしています。このため、お客様の代わりにお客様から一時お預かりした消費税を納税する必要があるのです。しかし、皆さんも業者から材料を仕入れる時や何か設備を準備した時に消費税というものを支払っていますよね? これでは税金が重複してしまいます。このため、収める消費税はお客様からお預かりした消費税から、支払った消費税を差し引いたものになります。
計算式にすると以下の通り。
消費税に関しては2019年の10月から税率が10%になることを予定しておりますので、注意しておきましょう。
源泉徴収税
源泉徴収税とは、企業が従業員や報酬を受け取る方から源泉徴収し、本人に代わって納める所得税のことです。バーなどではバースデーイベントなどで従業員に臨時で報酬を支払うようなケースがありますが、事業主はその時にも源泉徴収しておいて、集めた税金を従業員に変わって納める必要があるのです。
源泉徴収税の計算方法は少しややこしいので、国税庁のHPを参考にしてください。
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