キュービクルを処分する時、どのような費用が発生するのか?
目次
高圧電力の使用を止める場合、キュービクルが不要になります。しかし、キュービクルは可燃ごみやその他の電化製品のように簡単に廃棄できるものではなく、場合によっては永久的に事業主が保管しなければならないことも。
今回は、キュービクルを処分方法と処分費についてご紹介していきます。
キュービクルを処分する方法
キュービクルは処分するために専門業者に委託して解体を行うことも可能ですし、まだ利用できる状態であるなら買い取ってもらうことも可能です。しかし、一定の条件下では業者も取扱をすることができず、事業主が保管場所を用意して保管しなければならないこともあります。
このある一定の条件下とは、PCB(Poly Chlorinated Biphenyl)の有無のことです。PCBは日本語ではポリ塩化ビフェニルといって、電気を通さない絶縁性を持つ化合物の総称です。一方、生物にとっては有毒で発がん性があり、内臓障害やホルモン異常を引き起こすことが分かっているため、法律で処分方法について厳しく規制されています。
比較的古いキュービクルにはこのPCBが使用されていますが、その危険性からPCB特別措置法によって他者への譲渡が禁止されています。このため、キュービクルの処分を行うためには、PCBの検査を行う必要があります。
PCB検査は専門の会社がありますが、検査会社はPCBを取り除くことはできません。PCBの除去は、青梅・大阪・豊田・北海道・北九州の5箇所のいずれかの施設で行う必要があり、場合によっては数年間待ってからでなければ処理ができません。
まとめると、以下のような処分手順になります。
【PCBが含まれる場合】
- PCBの検査を行う
- PCB廃棄処理施設に依頼する
- 撤去工事を行う
- PCBを取り除いてから業者に処分を依頼する
【PCBが含まれない場合】
- PCB検査を行う
- 撤去工事を行う
- 業者に買い取ってもらうor処分してもらう
キュービクルの処理にはどれくらい費用がかかるの?
PCBの処理料金は、全国で一律に設定されており、最低料金30,240円としてkg単位で料金が変動します。10kgを超える場合は485,000円、20kgを超える場合は559,000円……といった具合です。大型のキュービクルの場合、1,000kgを超えてきますから、PCB除去にかかる費用は4,119,000円。とんでもない金額です。詳しくはJESCO公式の料金表をチェックしてみてください。
次に業者に処分依頼をする場合ですが、これは状態によって異なります。例えば比較的新しいものでまだまだ使えそうな場合は料金を支払うどころか買い取ってもらえる可能性もありますし、逆に古くて利用できるところがない場合は通常の産業廃棄物同様10万円くらいの料金を支払って処分してもらう必要があります。
PCBの処分で補助金が降りることも
中小企業にとってPCBの処分に数百万円がかかってしまうことは大きな痛手になります。また、PCBに関しては国際的にも「全人類のために正しく処分をしなければならない」という考えを持っており、日本も数年以内にPCBを全処分する方針です。経済的に体力がない中小企業や個人事業主が処分費を準備することができなくて、海に垂れ流す……なんてことが起こると日本は世界各国からバッシングを受けてしまうことになるため、中小企業や個人事業主が適正な処分を行えるように、一部を補助してくれるというのです。
この補助金制度に該当する場合は中小企業の場合処分費の70%、個人の場合は処分費の95%を補助してもらうことができるので、当てはまるなら利用しない手はありません。
対象に当てはまるかどうかはJESCOの公式サイトからチェックすることができますので、一度チェックしてみてください。
事業主で保管する場合の注意点
お使いのキュービクルからPCBが見つかった場合、JESCOに処分してもらう予定でも一時的に保管しておく必要があります。そしてこの保管方法については廃棄物の処理及び清掃に関する法律で以下のように定められています。
- 周囲に囲いがあり、できれば屋根付きの場所に保管すること
- 保管場所に特別管理産業廃棄物を保管していることや、責任者の氏名や連絡先を掲示した板を設置すること
- 保管場所から物質が流出・飛散しないように措置を講ずること
- 保管場所に害虫や害獣が発生、生息しないようにすること
- 他の産業廃棄物が混入しないように対策しておくこと
- PCB揮発の防止のために密閉し、高温にさらされないようにすること
- 廃棄物腐食防止のために必要な措置を講ずること
このように保管する場合にも様々なことに注意しておかなければならないため、メーカーに確認をとるなどして必要な対策を講じるようにしましょう。
まとめ
キュービクルは初期費用が高額なだけでなく、場合によっては処分にも高額な費用が発生してしまいます。現在はPCBを含んだ製品の生産は法律で規制されていますが、中古品を購入・リースで契約する場合はそれらにPCBが含まれている可能性があるため、十分に注意しましょう。
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