キャッシュレス決済端末導入における軽減税率対策と補助金対象の違い

キャッシュレス決済端末導入における軽減税率対策と補助金対象の違い

目次

  1. 2つの制度について
    1. 軽減税率対策補助金とは?
    2. キャッシュレス消費者還元事業とは
  2. どちらの制度を利用するのが良いか?
  3. いち早く導入したい場合は軽減税率対策補助金の利用も

2019年10月から開始する軽減税率の導入と消費税の増税。これに伴って、レジの入れ替えや消費減が懸念されており、国は様々なサポート制度を実施しています。軽減税率対策補助金とキャッシュレス消費者還元事業もその一つで、決済端末を導入する場合にはこれらの制度を導入することができます。——しかし、似たようなこの2つの制度はどのような違いがあり、どちらを活用するほうが良いのでしょうか?

今回は、中小事業者にとって軽減剤率対策補助金とキャッシュレス消費者還元事業がどのように違うのかということについてわかりやすくご紹介していきます。

2つの制度について

そもそも、軽減税率対策補助金とキャッシュレス消費者還元事業はどのような制度なのでしょうか?

軽減税率対策補助金とは?

軽減税率対策補助金とは、2019年10月から開始される軽減税率に事業者の対応を支援する目的でレジ及びクレジットカードなどの決済端末を導入する際の費用を経済産業省が補助する制度です。

軽減税率は飲食品などの「生活に必須と考えられる商品」を消費者が購入する場合に適用される税率(8%)のことですが、例えばスーパーで食料品を購入する場合やレエストランなどでテイクアウトを利用する場合に適用されます。

これは事業者にとって大きな負担になることが考えられます。特に飲食店では、店内で食事をするお客様とお持ち帰りされるお客様で税率が異なるためです。極めつけには店内で飲食をされて、さらに家族や友人のために商品をテイクアウトされた場合は、税率を分けて販売する必要があります。

このような計算を人間がやっていたのでは、必ずミスは発生してしまいます。するとレジの締め作業が複雑になったり、決算期になって「お客様から税金をもらいすぎていた」あるいは「お客様から税金をもらっていなかった」ということが起こったりする可能性もあるのです。

このような複雑化を避けるため、軽減税率対応のレジ機というものを導入する場合に、事業者が機器導入に必要になった費用の3/4を国が負担してくれるというのが軽減税率対策補助金という制度です。

軽減税率対策補助金は同時にキャッシュレス決済の導入に必要な端末を購入する金額も制度の対象となるため、レジ本体と合わせてキャッシュレス端末の購入を検討している場合はこの制度を活用したほうがお得になります。

キャッシュレス消費者還元事業とは

キャッシュレス消費者還元事業は、2019年10月から開始する増税に合わせて消費者の負担を減らすために、またオリンピックに向けてキャッシュレス化を推進するために国が企画した制度です。

本事業に参画する店舗でキャッシュレスの支払い方法を選択することで、ポイントが付与されるため、消費者は事業に参画する店舗で好んで買い物をすることが期待されています。また、キャッシュレス決済に必要な手数料や端末の導入費用も国や決済事業者によって負担してもらうことができるため、期間中は店舗が負担少なくキャッシュレス決済を導入することが可能なのです。

導入にあたっての端末代は1/3をキャッシュレス端末会社が、2/3を国が負担してくれるため、店舗は無料でキャッシュレス決済端末を導入することができるのです。

また、導入してからも集客効果増・決済手数料の負担減という嬉しい特典があるため、軽減税率対策補助金とは異なり長期的なメリットがあると考えることができます。

どちらの制度を利用するのが良いか?

さて、それでは具体的にどのような場合にこれらの制度を使うかということになりますが、結論を言うとできる限りキャッシュレス消費者還元事業を利用する方向で考えたほうが良いでしょう。

軽減税率対策補助金を活用して良い場合というのは、例えばレジを導入する場合に決キャッシュレス済端末をセットで契約することができるような場合くらいです。

そもそも軽減税率対策補助金は1/3の費用は事業者が負担する必要があります。一方のキャッシュレス消費者還元事業では、全額を国と決済事業者に負担してもらうことができます。さらに事業に参画していると、お客様は「ポイントが多く付与されるから」と考えて皆さんのお店で買い物をしたいと考えることでしょう。手数料が心配な場合も、本事業が行われている期間(2019年の10月1日〜2020年の6月30日)は決済手数料が実質2%程度にまで抑えられます。飲食店などでは、クレジットカードの決済に必要な手数料は10%近くですから、それを考えると大幅な手数料減になります。

このように、キャッシュレス消費者還元事業のほうがイニシャルコストのメリットだけでなく、向こう1年間のメリットがあるため、キャッシュレス消費者還元事業制度を導入することをおすすめします。

いち早く導入したい場合は軽減税率対策補助金の利用も

上記ではキャッシュレス消費者還元事業を利用することをおすすめしましたが、本事業は現在人気が高く、審査も必要であるため、審査手続きに時間がかかってしまい、なかなか小規模店舗がすぐに参画できない状況に陥っています。

しかし消費増税は10月1日から開始となっており、時間だけが過ぎていってしまうと時代の波に乗り遅れてしまうことも考えられます。もちろん軽減税率対策補助金も審査が必要であるため、一定の期間が必要になりますが、現段階ではこちらの制度のほうが審査のスピードは早いかもしれません。

このため、審査が通らなかった場合やいち早く決済端末やレジを導入したいと考えている場合はこちらの制度を利用することも検討しても良いかもしれません。

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