フリーランスと開業届、知っておきたい確定申告の種類とメリット

フリーランスとは、会社に雇用されない働き方のこと。フリーランスは、開業届を出すことで個人事業主になれます。しかし、開業届を出さなくてもフリーランスの仕事は可能なのです。

これからフリーランスを始める人に向けて、開業届や確定申告、青色申告や白色申告についてご紹介しましょう。

フリーランスは開業届を出す必要がある？

原則、開業から1ヶ月以内に開業届を提出することになっています。また、開業届は、本業と別に副業でフリーランスとして働いている人も提出可能です。しかし、現状、提出しないことによるペナルティはありません。

ですが、開業届を出すことによるメリットは多いです。

1. 確定申告で青色申告が選べる
2. 青色申告により、最高65万円の特別控除が受けられる
3. 小規模企業共済への加盟が可能
4. 屋号名で銀行口座が開設できる。

一つ注意するなら、開業届は独立の意思という点。つまり、失業保険の受給資格はなくなるのです。会社員としての働き方を辞めた後、フリーランスになろうと思っている人は、この点についてしっかり考えておきましょう。

確定申告とは？フリーランスの確定申告には何がある？

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間で得た所得を税務署に申告すること。そこでは、1年間に払った源泉徴収税が返ってくる場合もあるのです。フリーランスが確定申告をする場合、白色申告か青色申告の2つとなります。

青色申告を申請する方法は2つ

• その年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出
• 開業もしくは業務を承継した日から2カ月以内に青色申告承認申請書を提出

どちらも提出先は税を納める所轄の税務署です。

ただし、承継では状況に応じて提出期限が変わります。自分の状況と照らし合わせるとよいでしょう。迷った際は、税務署や商工会に相談するとよいですね。

白色申告とは？

白色申告とは、青色申告よりもかんたんな方法で作成できる確定申告制度。しかし、2014年分から、これまで青色申告のみに適用されていた、

• 帳簿への記帳
• 帳簿等の保存（5～7年）

が義務付けられました。また、青色申告と異なり特別控除もありません。手間やメリットを考えると、白色申告よりも青色申告のほうがよいでしょう。

特別控除が受けられる青色申告

青色申告には、さまざまな優遇制度があります。

青色申告特別控除

10万円か65万円かの控除が受けられます。しかし、65万円の控除を受けるには、定められた方法によって記帳し、それにもとづいて貸借対照表や損益計算書を作成することが必要です。

青色事業専従者給与を必要経費に算入できる

青色申告をしている人の家族が事業に従事している場合、家族に対する給与を経費に組み込むことができます。

純損失の繰り越しと繰り戻し

事業所得に赤字があり、かつ、規定通りに行っても出た損失が控除しきれず余る際、それを翌年以降に繰り越したり前年分に繰り戻したりできます。

貸倒引当金を計上できる

事業を進める上で生じた、売掛金や貸付金のような債権を、貸倒引当金として必要経費扱いにできるのです。

開業届とともに青色申告承認申請書も提出しよう

開業届の提出後、しばらくしてから青色申告承認申請書を提出するのは二度手間です。開業届を提出する際、ともに青色申告承認申請書も提出するとよいでしょう。

仕事が始まると、落ち着いて書類を作る時間は減ります。開業届や青色申告承認申請書は開業前に準備しておくのがベストでしょう。

青色申告は経理の知識が必要となるため、難しい部分も多いです。しかし、インターネットや本を用いれば、仕訳や科目について調べることができます。また、商工会や税務署に相談もできますし、場所によっては確定申告前に無料の相談会を実施していることも。

どうしても難しいまたは慌ただしく自分でできない場合は、税理士に確定申告代行をお願いするとよいでしょう。