電力会社の選び方と注意しておきたいポイント
目次
電力の小売全面自由化が2015年に開始され、私達は自由に電力会社を選ぶことができるようになりました。
これによって、私達は自分の電気の使用状況に応じた電力プランを選ぶことができるようになり、セット割引や時間帯別割引など様々な特典の恩恵を受けることができるようになりました。
――しかし、自由には責任が伴うことになります。どの電力会社を選んで契約しようがそれは皆さんの責任。たとえ乗り換えることで電気料金が高くなったとしても。
資源エネルギー庁の調査によれば2017年時点で小売電気事業者は390者。この中から「皆さんに一番ぴったりな電力プラン」を見つけ出すことは至難の業です。
――ということで、今回は電力会社の選び方を解説すると共に契約する前に知っておきたい注意しておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。
電力会社の選び方
まずは後悔しない電力会社の選び方についてご紹介していきたいと思います。
電力会社の選び方には主に4つのパターンがあります。以下ではそれぞれのパターンの選び方とポイントについて解説していきたいと思います。
とにかく電気料金を安くしたい場合の選び方
とにかく電気料金を安くしたい場合は、当たり前ですが電力会社の料金を比べてみてください。
そのためにはまず現時点でお使いの電力会社の料金について知る必要がありますよね。そんな場合は検針票をチェックしてみましょう。
引用:東京電力エナジーパートナー
おそらく多くの方は、事業者の方でも一般的な家庭の方でも「従量電灯」という、電気使用量に応じて電気料金が変わるプランで契約をされているはずです。
従量電灯というプランは、例えば東京電力エリアの場合、以下のような電気料金になります。
使用量 | 電気料金単価 |
---|---|
~120kWh | 19.52円 |
120kWh~300kWh | 26.00円 |
300kWh~ | 30.02円 |
例えば1ヶ月に150kWhの電力を使用した場合は、電気料金は以下のような計算式になります。
一方で、1ヶ月に800kWhを使用すると、以下の通り。
従量電灯のプランでは電気料金を使用すればするほど高くなりますから、東京電力エリア内にお住まいの方は乗り換えようと考えている電力会社の料金がこれより高いか安いかで決めると良いです。
注意しないと電気料金が上がる!?
ただ、ここで注意しておかなければいけないポイントがあります。――それは、電気使用量が少ない場合は電気料金が逆に高くなってしまう可能性があるということです。
――例えば、「あしたでんき」という電気料金が一律25.50円の電力会社がありますが、この時に電気使用量が120kWh以下だった場合、電気料金単価は19.52円なので電気料金単価は6円ほど上がってしまうことになります。
このように、一般的に電力自由化によってでてきた新電力会社というのは「大量に電力を使用する顧客のためのプラン」であることが多いため、使用量が少ない需要家は電気料金がはね上がってしまう可能性があるので注意です。
家にいる時間が少ない場合
一人暮らし、あるいは夫婦共働きで日中はほとんど家におらず、夜にしか電気を使わないという家庭も最近は多いのではないでしょうか?あるいは事業者の方で、深夜営業だから日中は冷蔵庫くらいしか稼働していないという場合もあるかもしれません。
このように電気を使用する時間帯が限定的な場合は時間帯別電力を利用してみると料金が安く抑えられるかもしれません。
――この場合、24時間のうち2時間だけ無料で電気を使用できるプランがあったり、20時~翌朝8時まで電気料金が安くなるプランがあったりするので、どれを選べばよいかは皆さんが「どの時間に、どれくらいの料金を使っているか」ということが重要になってきます。
これについては以下の記事を参考にしてみてください。
電気料金以外で特典を受けたい場合
「毎月そこまで電気使ってないし、他の部分で家計の助けにならない?」――とお考えの方にピッタリなのはエネオスでんきのようなプランがおすすめです。
――例えば『ニフティでんき』で契約した場合はインターネット回線の「ニフティ光」や格安SIMの「Nifmo」を契約することでこれらのセット割引を受けることができます。
また、エネオスでんきの場合はガソリン代が安くなるなどの特典があります。
FIT電気を使いたい場合
FIT電気とは、再生可能エネルギーによって発電された電気のことです。
電力会社の中には火力発電に絞って限りなくコストを抑えて電力を供給している会社もありますが、クリーンな電気を使用したいという殊勝な心をお持ちの方々もいらっしゃるため、中には100%FIT電気を提供する電力会社も存在します。
この場合に気をつけておきたいのは、電気料金との兼ね合いです。再生可能エネルギーを応援することは良いことですが、あまりに高すぎて生活が圧迫されては困ってしまいますよね?
そのため、FIT電気と火力電気をミックスした形で供給する会社がほとんんどです。詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
電力会社を乗り換える前に注意しておきたいポイント
以下ではその他電力会社を乗り換える前に注意しておきたいポイントについてご紹介していきたいと思います。
解約手数料がかかる場合がある
電力会社の中には契約期間に縛りがある場合があります。
携帯電話やインターネット回線でも同じの「違約金ビジネス」とも揶揄される例のアレです。
電力会社は通常2年~3年程度に1回訪れる更新月以外に解約をすると違約金が発生します。もちろん違約金がない電力会社も存在しますが、ほとんどの場合は何かしらの手数料がかかるのでよく考えてから契約をするようにしたいです。
オール電化の場合は高くなるかも
次に気をつけておきたいのは、オール電化を利用している場合です。
オール電化では、エコキュートを使って電気代が安い深夜の時間に電力でお湯を沸かすということをしています。
――つまり、既に従量電灯ではなく、時間帯別電気料金に乗り換え済みということです。
これが深夜の電気料金が高いプランに乗り換えてしまうと深夜に高い電気料金を消費することになりますから、一気に家計を圧迫するなんてことも考えられます。
オール電化の家庭では、より慎重に電力会社を選ぶ必要がありそうです。
契約には事務手数料がかかる
次に触れておきたいのは、契約時の初期費用について。
電力会社の契約では一般的に3,000円程度の事務手数料が発生します。
そのため、例えば年間で100円しか割引にならないような試算の電力会社で契約してしまうと、事務手数料のせいで赤字になることになってしまいます。
この初期費用もあって、毎月の電気料金が5,000円以下の場合は損をすることになると言われています。注意しておきましょう。
電力自由化詐欺にも注意
最後になりますが、2016年ごろに電力自由化が世間的に理解が浅いこともあって、度々詐欺に使用されることがありました。
最近は少なくなってきましたが、それでも注意をしておく必要があることに変わりはありません。
以下の記事では騙されないためのポイントを解説しておりますので、是非参考にしてください!
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